HARIBAN AWARD 2020 最優秀賞受賞作品展

モード・アルセノー

「Entangled 1 & 2」

便利堂では9月21日より、HARIBAN AWARD 2020 において最優秀賞に選ばれたモード・アルセノー氏の作品展「Entangled 1 & 2」を開催します。

モード・アルセノーは、これまでファッションカメラマンとしてシドニー、パリ、そしてニューヨークで活躍し、近年は故郷であるカナダ・モントリオールを拠点に活動する写真家です。ドキュメンタリーや平面作品、コラージュ、ポートレートといった手法を横断的に使用し、女性のアイデンティティやプライベート空間、家庭等をテーマに作品を展開しています。

アルセノーは、作品において現代社会における女性のアイデンティティが置かれている状況を投影し、今日の若い女性が彼らの在り方を形成する上で何を参考としているのか、そのあり様を私たちに強く問いかけます。彼女は作家として、3人の子どもを育てる母親として、社会構造や歴史が特定の図式や非難を私たちに強いていることに疑問を持ち、伝統的な父権社会のあり方が少女や女性へどのように影響するのか、現代においてもそれが理想とされることが失望感や信頼感、健全な精神状態の欠如という結果をもたらす可能性があるのではないかという問いを見る側に投げかけます。

なお、本展は京都国際写真展KYOTOGRAPHIEのサテライトプログラムKG+2021に参加しています。

新型コロナウイルス感染予防対策実施について

ご来場のみなさまへのお願い

• マスクの着用をお願いいたします。

• アルコール消毒にご協力ください。

• 鑑賞時や待機列などでは、他のお客様と一定の距離を保ってください。
• 大きな声での会話はお控えください。

• 体調の優れない方や、身近に感染された方がいるなど、感染している可能性が考えられる場合は、ご来場をお控えください。

会場

京都府京都市中京区大黒町44番地 MEDIA SHOP VOXビル1F

日程

2021年9月21日 – 10月17日

時間

12:00 – 20:00

入場

無料

KG+ Kyotographie Satellite Event

展示風景「Maude Arsenault Entangled 1&2」、国際コロタイプ写真コンベンション HARIBAN AWARD 2020 最優秀賞受賞作品展、メディアショップ、京都、2021年

私の写真作品は、静物写真やポートレート、ドキュメンタリーのイメージの間で振れ動く個人的な写真を用いたアプローチからなり、女性描写や、個人的な空間、家庭や親交をテーマに構成されています。私は実践を重ねる中で、現代社会における女性のアイデンティティを取り巻く状況や、私が疑問に感じている、女性が自らを形成し形作るときに引き合いに出して参照するより所となっているものについて描き出そうとしています。

― モード・アルセノーインタビュー

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展示風景「Maude Arsenault Entangled 1&2」、国際コロタイプ写真コンベンション HARIBAN AWARD 2020 最優秀賞受賞作品展、メディアショップ、京都、2021年

モーデ・アルセノーが撮影・編集したこのビデオは、アルセノーの活動と、カナダ・モントリオールのマイルエンドにあるクリエイティブ・スペースを紹介しています。

ここ数年は、特にイメージの物質性について興味を持っています。例えば、写真イメージを布や変わった紙に印刷したり、彫刻やコラージュ、空間表現について考察しています。私は生まれながらに女性性を持つ人間としての立場から、空間としての身体、そして身体の空間という、女性のために女性に力を授けるような視点から探求しています。

― モード・アルセノーインタビュー

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展示風景「Maude Arsenault Entangled 1&2」、国際コロタイプ写真コンベンション HARIBAN AWARD 2020 最優秀賞受賞作品展、メディアショップ、京都、2021年

コロタイプの古典的で伝統的な精神を私の作品に取り入れることに合わせて、私がアイデンティティとする現代的アイディアの両者を妥協せずに取り込むことが大事だと考えています。過去から学ぶことを楽しみにしていますし、コロタイプのアプローチが驚くべき体験の機会と、作品へのまた違った新しい刺激的な展望を与えてくれることを信じています。

― モード・アルセノーインタビュー

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本展では、７度目の開催となったHARIBAN AWARD 2020で最優秀賞を受賞したモード・アルセノーの「Entangled 1&2」を紹介いたします。ファッション写真業界で長いキャリアと豊富な経験を持つアルセノーは、煌びやかでありながらも、女性モデル達に文化的または社会的役割を投影し構築されるイメージに疑問を感じ、その視覚表現のあり方を再考すべく作品を展開しています。展示作品からは、彼女の生活における重要な場面が切り取られたイメージ群によって、鑑賞者にリフレクションするように物語が紡がれます。ぜひその一枚一枚に隠されたメッセージを読み解きながら、ご覧いただけますと幸いです。

最後になりましたが、今回の展覧会開催にあたり、わたしたちに惜しみない労力と時間を費やし、また素晴らしいアイディアを共有してくださったモード・アルセノーに改めて感謝いたします。新型コロナウィルス感染症の蔓延により渡航が困難な状況下、残念ながら京都での滞在制作は叶いませんでしたが、その代わりにユニークに仕立て上げられたイメージ（会場奥に設置された「Home Trap」）を、わたしたちからの贈り物としてここに発表できることを嬉しく思います。

　これからも、当社の取り組みに対する皆様方からの変わらぬ関心とご支援をお願いするとともに、皆様のご健康と混乱した社会情勢が一時も早く収束を迎えることを、心よりお祈りいたします。